「ちょ、待って待って!?そ、その…ほらっ!空くんがあたしを教えてくれるのは嬉しいけど、空くんは陽向くんにも教えるわけで……っ」



二人の笑顔が色んな意味で怖くて、思わず言い訳を口走る。


そうだよ。

空くんは数学が得意なんだし、そうなると陽向くんも教えないとで、大変だし……!


そう思って「ねっ!?」と二人を見れば、空くんはきょとんとしながらあたしを見た。



「俺、陽向の勉強なんて見ないけど?」


「へ……?」


「俺が見るのは、七海だけ。陽向なんて相手してたら、葉月よりもスパルタになるから」



空くんは、さも当然のようにそう答えると、たくさんある問題集から、数学のものを探し始める。

あたしはそんな空くんを呆気にとられながら見つめて。


えっと……空くんに教えてもらえるのは嬉しいとして。

それじゃあなんで、空くんはわざわざここに……?