そう言って、哀れむような眼差しで空くんが見た方を向けば。

陽向くんは葉月にしごかれて、半泣き状態とも言えるほどヘロヘロになっていた。



「……大丈夫かな、陽向くん……」



地獄っていうのは、このことだったんだね……。

たしかにこれは、バスケどころじゃないかも……。



「まぁ、そういうわけで。今は数学の時間だし、七海もやるか」


「えっ!?」



空くんは「説明も終わったし」と言うと、あたしを引きずるようにしながら、立ち上がって葉月のところへいく。

そして折りたたみ式のテーブルを出してきたかと思えば、空くんと葉月、二人同時に満面の笑みであたしの方を見た。


その瞬間、あたしの頬は引きつって。