「……勉強?」



驚いてポツリと呟けば、あたしに気づいた陽向くんが顔を上げる。

その瞬間、パッと顔を輝かせたかと思えば、いきなりガシッと両手をつかまれた。



「ななみん…!!仲間が来た……!!」


「え?え?仲間……?」


な、なんのこと……?

っていうか、これはなにをして……?



「っていうか、どうしたの、陽向くん……。なんかボロボロだけど……」



床に膝をついたまま、祈るようにあたしの手をつかむ陽向くんの顔は、どこか疲れきっていて。

わけが分からず困惑していれば、突然、葉月がガッと陽向くんの首根っこをつかんだ。

そして空くんが、あたしの肩と、両手をつかむ陽向くんの手を持って。

二人同時に、ベリッと陽向くんとあたしを引き離した。