「えっと……今のは何?」


「もう……ちょっと目を離しただけで、すぐに分かんないって言うんだから。先に部屋、行ってるね!」



ポカンとしながら二階を見上げれば、葉月は呆れたようにため息をついて、階段を駆け上がっていく。


今の声って……陽向くん?

どういうこと?

部活が休みになるのは、テスト一週間前で、来週からのはずなんだけど……。


そんなことを思いながらも、何かと面倒くさそうな表情の空くんと、葉月の後をのんびりと追えば。



「……へ?」



葉月の部屋で数学の問題を解く、陽向くんがいた。