「…………」


「いてっ。ちょ、ごめんごめん。俺が悪かったって」



あまりにキレイな笑顔に、思わずペシペシと空くんをたたく。


一瞬でも、ドキッとしたあたしがバカだった……。

空くんの意地悪……!!


でも、そんな攻撃が空くんに効くわけもなく、クスクスと笑われると、くしゃっと頭をなでられた。



「でもま、七海といるのは楽しいし。暇だったら、図書室来てよ。もうすぐ期末試験もあるしさ」


「……来てもいいの?」


「来たいんだろ?てか、陽向のバスケ練習の時間まで、俺の暇つぶし相手に決定。拒否権はないから」



そう言って、フッと笑った空くん。

それはまるで、あたしの心を見透かしているようで。

あたしの胸は、再び、ドキドキと鳴り出した。