「なんだよ、も~。そういうことは早く言ってくれよ、ななみん~」



「あーあ~」と言いながら、恥ずかしそうに顔を押さえる陽向くん。

それに「ごめんごめん」と笑いながら言えば、廊下から、パタパタと走る音が聞こえて。



「あっ、いた!陽向!!」


「葉月!」



ガラッとドアが開けば、制服姿の葉月が入ってくる。

その瞬間、陽向くんの表情は嬉しそうな笑顔に変わって。



「先生に渡されたスケジュール伝えるから、帰らずに部室にいといてって言ったでしょ!このおバカ!!」


「いてえっ!!」



葉月に頭を叩かれて、それはすぐにシュンとなった。