「お兄ちゃんも花火大会行くんだよね?……その女の子と一緒に」
「うん……って、え!?な、なんで七海、知って……」
「内緒!あたし、頑張るから……お兄ちゃん、楽しんできてね」
あたしはそう言うと、まだ何か聞きたげだったお兄ちゃんを「着替えるから!」と部屋から出す。
パタン、とドアを閉めれば、クスクスと笑みがこぼれて。
お兄ちゃん、恥ずかしそうだったけど……嬉しそうだった。
お兄ちゃんのあんな顔、初めてみたかも……。
「茉莉花ちゃんとお兄ちゃん、うまくいけばいいな……」
そう呟きながら視線を机に向ければ、開いていた手帳と、キラキラ輝く髪留めが置いてあって。
手帳をそっと手に取ると、パラパラとページをめくっていく。
カラフルなページが続く中、空くんと出会ってからは、さらにたくさんの色で染まっていて。
そんな中、一度も使われていない色は、一色だけ。
あたしの大好きな人の、イメージカラー。
「……今日、使えたらいいな……」
そっと筆箱から取り出した、“スカイブルー”のペン。
それを静かに手帳に挟んで机に置くと、代わりに髪留めを持つ。
「……よしっ!」
淡いピンクは、空くんと出会ったときの色。
あたしは顔を上げると、バッと浴衣に手を通した。
「うん……って、え!?な、なんで七海、知って……」
「内緒!あたし、頑張るから……お兄ちゃん、楽しんできてね」
あたしはそう言うと、まだ何か聞きたげだったお兄ちゃんを「着替えるから!」と部屋から出す。
パタン、とドアを閉めれば、クスクスと笑みがこぼれて。
お兄ちゃん、恥ずかしそうだったけど……嬉しそうだった。
お兄ちゃんのあんな顔、初めてみたかも……。
「茉莉花ちゃんとお兄ちゃん、うまくいけばいいな……」
そう呟きながら視線を机に向ければ、開いていた手帳と、キラキラ輝く髪留めが置いてあって。
手帳をそっと手に取ると、パラパラとページをめくっていく。
カラフルなページが続く中、空くんと出会ってからは、さらにたくさんの色で染まっていて。
そんな中、一度も使われていない色は、一色だけ。
あたしの大好きな人の、イメージカラー。
「……今日、使えたらいいな……」
そっと筆箱から取り出した、“スカイブルー”のペン。
それを静かに手帳に挟んで机に置くと、代わりに髪留めを持つ。
「……よしっ!」
淡いピンクは、空くんと出会ったときの色。
あたしは顔を上げると、バッと浴衣に手を通した。