「今日も暑いですね~」
「そ、そうだね……」
ジリジリと真夏の日差しが照りつける空。
涼しいと定評のある体育館裏の日陰に、茉莉花ちゃんと二人、並んで座っているものの、じんわりと額に汗がうかぶ。
手にはお互い、買ったジュースを持っていて。
あたしの手には、当たり前のように、レモンソーダが握られていた。
ペットボトルの側面からは、浮かんだ水が流れて、手が濡れる。
それでも、あたしは微動だにしないほど、緊張していて。
ダメだよ、ダメダメ……!
茉莉花ちゃんののんびりさと、あたしの緊張度合いの落差が激しい……!!
なんて、切り出す?
“空くんと付き合ってるの?”
こんなの、直球すぎるよね……。
じゃあ、なんて?
いきなり引っ張ってきちゃったし、ぶしつけな質問なんてできないよ……!?