「へ?部活?」


「もう部活始まったよ!陽向くん、しないの!?」



あたしの頭上から顔を覗かせる陽向くんを見れば、きょとんとした顔で見つめ返される。

それに慌てて言えば、陽向くんは「あぁ」と、思い出したように頷いて。



「俺は見学。バスケやりすぎて、若干足痛めちゃったからさー。しばらく、軽くシュート練するだけで見学しとけって」



陽向くんはそう言うと、恨めしげに風見先生を見る。

その体はウズウズとしていて。


かざみん先生に止められたんだろうなぁ……。

なんかもう、バスケやりたくってしょうがないって感じがにじみ出てるよ……。

なんであたしのことを陽向くんにまかせるのかと思ったけど、こういうことだったのか……。



思わず苦笑すると、陽向くんは倉庫の窓を開け、近くのマットにドカッと座り込む。

その瞬間、窓からは涼しい風が入ってきて。

陽向くんは「あーーーっ!」と叫ぶと、そのままゴロンと寝転がった。