「あ………」



ドキッと鳴る胸。

ピタリと、動きが止まる。

見つめた先には、この五日間、想い続けた人がいて。



「……空、来たね」



隣で、あたしの様子をうかがうように呟く葉月。

その言葉に、あたしは気づけば、葉月と陽向くんの後ろに隠れるようにして。

ぼーっとしながら、制服で、カバンを持ったまま、体育館へと歩いてくる空くん。

その隣には風見先生がいて、二人とも、あたし達には気づかずに、何かを話しながら歩いて。



……空くんだ……。



姿を見ただけで、キュンとする。

でも、それと同時に、キュッと心をつかまれたように、苦しくなって。



空くんの、隣に行きたい……。


でも、やっぱりまだ……怖いよ……。