チラッと見た時計は、もうすぐ8時半を指そうとしていて。

見渡した体育館も、いつの間にか、部員の人たちが集まっていた。

その瞬間、急に緊張して、胸がドキドキと鳴り出す。


空くんが来る……。

会ったら、何、言われるんだろ……。

あたしのこと、どう思ってるんだろう……。


不安に揺れる、あたしの気持ち。

思わずギュッと胸の辺りのシャツをつかむと、その手を葉月が、そっと包んだ。



「……大丈夫だよ、七海。私たちがいるから……ねっ、陽向!」


「おうっ!ななみん、一人で悩むなよ!」



葉月は優しく微笑みながらそう言うと、パッと陽向くんを見る。

すると陽向くんも、ニッと笑って。



「二人とも……ありがとう……」



あたしがそう言って微笑めば、同じように微笑み返してくれる二人。

すると、それと同時に、遠くから誰かの話し声が聞こえて。