陽向くんは謝ってから「そうだった!」と叫ぶと、あたし達が騒ぐのを気にせず、ぼーっとしていた空くんの方へ、バッと振り向く。

そしてガッと空くんの肩をつかむと、面倒くさそうな表情をした空くんとは対照的に、キラキラとした表情で、楽しそうに口を開いた。



「今日の部活、ミーティングだけで終わってさ!ちょっと一緒にやろーぜ、バスケ!」


「……疲れる」


「んな、おじいちゃんみたいなこと言わないでさぁー!なっ!?」


「……七海の課題、まだ途中……」


「それは葉月がやってくれる!」



「えー……」と渋る空くんをよそに、陽向くんはそう言うと、そのまま空くんを引きずるようにして出て行って。



「……私が教えるよ、七海……」


「う、うん……?」



何がなんだかよくわからないあたしは、苦笑する葉月に頷くと、カバンを持って図書室を出た。