「そ、空くん……っ」



緊張で声が少し震える。

空くんはそんなあたしを見ると、きょとんとして。



「は、花火大会……皆で、行かない……?」



搾り出したような声。

それでもちゃんと言い切ると、あたしはすぐさま視線を逸らす。

本当は、二人で行きたいけれど。

今のあたしには、これが精一杯で。


いきなりすぎた。

断られたらどうしよう。


そんな思いが、頭の中を覆う。

握り締めた手には、じんわりと汗がにじんで。