「……で?毎回悲惨な点をとる白崎は、今回もやらかしてくれたってことか」
授業が終わり次第、数学の風見先生の元へ向かえば、怒るのを通り過ぎて、呆れたような視線を向けられる。
もう慣れてしまった、この視線。
「でもかざみん先生!30点まであと2点でしたよ!」
「お前はバカか。このテストは、最低でも40点くらいはとれるように作ってんだよ!ドヤ顔すんじゃねぇ!ってか、誰がかざみんだ、コラ!」
定期テストがあるたびに、繰り返される風見先生との対話。
これもまた、慣れてしまったこと。
風見先生はまだ20代前半で生徒に人気。
そんな先生と数学のできないあたしとは、日常茶飯事の対話だから。
だってねぇ?
数学なんて、何が言いたいのか意味わかんないでしょ?
他の教科は、そこそこできるんだけどなぁ……。