「あのさ、七海……」


「えっ、あ……なに?」



俯きながらギュッと両手を握り締めていれば、遠慮がちに声をかけてきた空くん。

それにハッとして顔を上げれば、空くんは目を泳がせながら、言いにくそうに「あー…」と呟いて。



「いや……その、そこ座るんだなー……と、思って……」


「……!」



珍しく弱気な口調の空くんに、耳を疑いたくなる。

同時にドキンッと大きく胸が鳴って。



「あ……えっと……」



驚きでうまく言葉が出てこない。


今のは……隣に座っていいってこと?

空くんが、言ったの……?