「あっ、白崎さんだぁっ!」
「茉莉花ちゃ……わっ!」
ガラッと図書室のドアを開ければ、嬉しそうに、いち早く反応してくれる茉莉花ちゃん。
それに笑顔を返そうとすれば、ガバッと抱きつかれて。
「おい、泉。体格的には泉の方がデカイんだから、勢いよく七海に抱きつくな。いくら七海が頑丈でも、危ないだろ」
「……はーい…」
なんとかこけるのを阻止すれば、茉莉花ちゃんの後ろから顔を覗かせた空くん。
茉莉花ちゃんは空くんの言葉にシュンとしながら返事をすれば、とぼとぼと元いたイスへと戻っていった。
あたしはというと、突然の抱擁に驚きながらも、こけなかったことに安堵のため息をついて。
そんなあたしを見た空くんは、申し訳なさそうに笑った。