「あっ、えっと……お、美味しいの!!」



ドキドキと鳴る胸に、恥ずかしさも加わって、頬に熱が集まる。

夏の暑さのせいか、頭の中は考えがまとまらなくて。


こんな笑い方する空くん、初めて見た……。

なんていうか……可愛いっ……!!


クスッと笑うことが多かった空くんが、こんな風に笑うのは貴重で。

胸がキュンとしたしたままおさまらない。


でも、ダメだ……!!

可愛いなんて言ったら、絶対、怒られる……!!

……気がする!


思わず“可愛い”と叫んでしまいそうになる口を、なんとか押さえる。

空くんはそんなあたしを見て、また笑って。



「空くん!わ、笑いすぎだから!!」


「ははっ、ごめんごめん……って、あれ?」



ふと視線を横にずらしたかと思えば、空くんは何かに気づくと、パッと顔を視線の先へと向けた。