「ま、水原が気づいてるかは知らねぇけどな」


「えぇ!?」



まるであたしの心を読んだかの言葉に、体がビクッとなる。

それを見た風見先生は、ケラケラと笑って。



「アイツはわかりにくいんだよ。けど、まぁ白崎も頑張ったらいけんじゃね?敵は強いけどな」


「……やっぱり空くん、モテますよね……」


「あぁ、それもあるけどな。とにかく、お前はオシャレしろ。なんだ、この適当な髪は」



風見先生はそう言うと、暑かったからと、くしも使わずにひとつにまとめた髪をピンッと指ではじく。

それにムッと頬を膨らませれば、ハッと鼻で笑われて。


……かざみん先生、むかつく……!!



「先生なんて、そんなんだから彼女に振られて、その後もずっと独り身なんですよ!!」


「んだと、コラァ!28点のやつに言われたくねぇよ!!」


「この前は67点でしたー!!」


「……単純な者同士の言い合いは、見苦しいんでやめてもらえますかね」



ギャーギャーと言い合いをしていれば、いつの間にか目の前に来ていた空くんに止められる。

それに、「空くん!」と「水原!」なんて、揃って反応すれば、「はぁ」と呆れたようにため息をつかれて。