「……そっか…気にしなくていいんだ……。ってことは、私、陽向が好きってこと……」



ポツリポツリと呟く葉月。

その目の前では、風見先生が満足そうに笑っていて。



「なんか、恥ずかしいな……。でも、スッキリしたっ!私、皆の分のドリンク、用意します!ありがとう、風見先生!」


「おう!ってことで、俺にもドリンクー」



元気に立ち上がった葉月の代わりに、風見先生が隣にドカッと座る。

そしてダラダラとしながらそう言うと、葉月はクスクスと笑って。



「はーい。あと、七海もありがとうね!なんか、ずっとうだうだしちゃって……」


「えっ、ううん!!あたしなんて、ただ話聞いてただけだし!そんなお礼言われるほどじゃ……」


「それでも、側にいてくれただけで嬉しかったから。また風見先生の情報、教えるね!」


「あ、それはほしい!!」


「おい、テメッ……!!」



すっかり元に戻った葉月は、にこにこと笑って、「用意してきまーす」と走っていく。

そのとき、ちょうど試合の終わった陽向くんのもとへ走っていったと思えば、二人で楽しそうにしゃべって。

陽向くんの隣にいた空くんは、チラッとあたしの方を見ると、片手で“○”を作って、フッと微笑んでくれた。