「ってかさ、天宮は瀬戸のこと好きなんだろ?なんで認めねぇんだよ?」


「かざみん先生ー!!?」



やっと落ち着いたとホッと息をはけば、突然、しれっと爆弾発言をする風見先生。

それにギョッとしながら先生を見れば、葉月は恥ずかしそうに、頬を染めて。



「だ、だって、陽向はずっと部活仲間で……。す、好きとか、そんなの、今更ありえないって思って……」


「はぁ?あんなに瀬戸にかまってて、なに言ってんだよ。好きなら好きでいいいじゃねぇか。過去とか気にする必要ねぇだろ」



ぽそぽそと話す葉月に、風見先生はズバズバと話していく。

先生が口を開く度、葉月は頬を染めて、体を縮こめる。


かざみん先生、遠慮という言葉を知らないな……。

っていうか、あたしが言うの、我慢してたことをズバズバと……。

葉月も葉月で……一応、好きっていうのは分かってたんだ?

なんか……そこまで鈍感じゃなくて、ちょっと安心……。


「はぁぁ…」と、話す二人に気づかれないように、ため息をつく。

チラッと見た葉月は、タオルを頭に被ったまま、ギュッとそれを握っていて。


……あたしと同じだ……。


空くんに言われた通り、外にいる間はずっと頭に被っていたタオル。

体育館に入ってからは、たたんで手に持っていて。

視線を下に落とせば、膝の上で、無意識にギュッと握っていた。