「落ち着いた?」


「……うん」



葉月はゴクンと水筒から一口飲むと、小さく頷く。

それでもやっぱり、その表情は落ち込んでいて。



「私、ダメだよね……。陽向のことで、部活に集中できないなんて……。七海と空にも迷惑かけちゃって……」


「ううん!そんなの全然平気……」


「ずっとぼーっとして……。さっきも、陽向…心配してくれたのに、追い返しちゃって……。陽向は大事な友達、なのに…」


「え、えっと……」



あたしの言葉を遮りながら、ぼそぼそと呟くように話す葉月。

それになんて返そうかと考えていれば、仕舞いにはぽろぽろと泣き出して。



「は、葉月!?えっ、ちょ……えぇっ!?」



ど、どうしようどうしよう……!?

あたし、泣かせちゃった!?

こんなの、陽向くんに見られたら……!!



「あー。白崎が天宮を泣かしたー」


「……っ!!?か、かざみん先生!!」