「ちょ……空!はーなーせー!!」


「やだね。お前がちゃんとしないから、俺まで部活させられてるんだから」



ジタバタと暴れる陽向くんに、空くんはしれっとしながら答える。

陽向くんは抵抗するも、そのままズルズルと引きずられていって。


す、すごいな、空くん……。

全くもって、容赦ないなんて……。


一瞬だけ見えた、空くんの横顔。

それはとても面倒くさそうで。


空くん……自分が面倒でも、ちゃんと陽向くんと葉月たちのこと、心配してるんだろうな……。




「も……無理……」



思わず苦笑していれば、聞こえてきた弱々しい声。

そんな声に隣へ視線を戻せば、ヘナヘナと葉月が床に座り込んだ。