葉月がぼーっと考える隣で、あたしは「うーん…」と考える。

そうこうしているうちに、運動部用の倉庫に着いて。

そこで葉月に言われた通りに荷物を片付けると、体育館へと戻る。

その間も、葉月はずっと、どこかぼーっとしていて。



「…………」


これは相当悩んでる……よね?

片付けのときはテキパキしてたけど、終わった瞬間、反応が鈍くなってるし……。

いつも明るい葉月が悩むと、ここまでとは……。

かざみん先生が手伝いを要求してきたのも、よく分かるよ……。



「……葉月?」



ためしに声をかけてみる。

いつもだったら、すぐに「なに?」と笑顔で振り向いてくれるくらいの距離と声量。

でも、今日の葉月は無反応で。


あぁぁぁ……どうしよう……?



再び「うーん…」と抱える頭。

でも、いい考えは一向に出てこなくて。

気づけば体育館まで戻ってきていた。