あたしだけに聞こえるか聞こえないかくらいの声量でそう言ったかと思えば、空くんはクルッと葉月の方へ向き直る。
あたしが呆気にとられているのも気にせず、空くんは軽く片手を上げたかと思うと、「じゃ、俺行くわ」と背を向けて。
「葉月。頼むから、早く自覚しろ。じゃないと、俺に面倒がふりかかる」
「え?自覚……?」
「そ。んじゃ、俺は陽向の様子見てくるから」
空くんはそれだけ言うと、体育館の方へと走っていった。
残されたあたしと葉月は、お互いに顔を合わせて。
「は、葉月!ジャージ貸してくれてありがとね!あたしも手伝うよ!」
「あ、うん……。ごめんね、なんかぼーっとしちゃって」
あたしは葉月の持っていた荷物の半分を持つと、申し訳なさそうにする葉月に「大丈夫だよ」と笑顔を返す。
それでも葉月は、ぼーっとしたまま、何かを考えているようで。
空くんってば、結構直球な言葉を残していったからなぁ……。
陽向くんのことで悩んでることを知っておきながら、“自覚しろ”なんて……。
空くんには、単純でいいなんて言われたけど、これだけ悩んでる葉月に、そんなあっさり言っていいものなのかな……?
あたしが呆気にとられているのも気にせず、空くんは軽く片手を上げたかと思うと、「じゃ、俺行くわ」と背を向けて。
「葉月。頼むから、早く自覚しろ。じゃないと、俺に面倒がふりかかる」
「え?自覚……?」
「そ。んじゃ、俺は陽向の様子見てくるから」
空くんはそれだけ言うと、体育館の方へと走っていった。
残されたあたしと葉月は、お互いに顔を合わせて。
「は、葉月!ジャージ貸してくれてありがとね!あたしも手伝うよ!」
「あ、うん……。ごめんね、なんかぼーっとしちゃって」
あたしは葉月の持っていた荷物の半分を持つと、申し訳なさそうにする葉月に「大丈夫だよ」と笑顔を返す。
それでも葉月は、ぼーっとしたまま、何かを考えているようで。
空くんってば、結構直球な言葉を残していったからなぁ……。
陽向くんのことで悩んでることを知っておきながら、“自覚しろ”なんて……。
空くんには、単純でいいなんて言われたけど、これだけ悩んでる葉月に、そんなあっさり言っていいものなのかな……?