「あ、そういえば空くん。電話がくるのわかってたみたいだけど、なんで?」



歩いていれば、ふと思い出した疑問。

図書室にいるときに、すでに空くんが“電話がくる”って言っていたこと。

それに首を傾げながら聞けば、空くんは「あぁ…」と呟いて。



「中学のときにも、こういうことがあったんだよ。で、そのときも結局、葉月の友達が手伝いで呼ばれてたから、高校だと七海だろうな、と」


「そうだったんだ……」


「しかも、葉月がダメになると、陽向もダメになるっていう、悪循環が起こる」


「……へ?」



突然鬱陶しそうな表情になったかと思えば、空くんは“呆れ”と“イライラ”の混ざったようなため息をつく。


空くん、今日はため息多いな……。

中学のとき、なにか嫌なことでもあったのかな…?



「で、その結果、その肩代わりが全部俺に回ってくる」



……あ、なるほど。