「だ、だからね、葉月……」


「違うの……」


「………え？」



どうにかして謝ろうと思考回路をめぐらせば。

葉月が首を横に振りながら、ポツリと呟く。

それに首を傾げれば、葉月はじっとあたしを見て。



「七海とか陽向のせいじゃないの……。私……自分の気持ちがわからなくて……」


「葉月……？」


「陽向が誰と…他の女の子とどうしようが、陽向の勝手だってわかってる…。でも、それを直接見たり聞いたりしたことは今までなくて……」



葉月は自分でもよく分からないのか、途切れ途切れに、言葉を探すようにして口を開く。



「観覧車のとき、初めてそれを見て……。なんだか少し…寂しくて……。でも、中学からの友達なのに、それはおかしくて……」


「……それって……」



目を泳がせて、うっすらと頬を染める葉月に、頭の中で、ポンッとひとつの答えが浮かび上がる。

でも、それをあたしが言ってしまっていいものか、よくわからなくて。