「ふふっ。七海ってば、すっごい嬉しそう。最近ずっと笑ってたのは、これが理由かぁ。やっぱり、ペア交換して正解だったね」



緩む頬を押さえていれば、葉月がそんなあたしを見て、優しく笑う。


あぁぁ……葉月ってば、優しすぎるよ……。

陽向くんも、葉月のこんなところが好きなのかなぁ……。



「あの時はびっくりしたけど……葉月と陽向くんのおかげだよっ!本当にありがと!」



そう言って、陽向くんがよくやるように、葉月の手をギュッと握る。

すると、何故か急に、フッと葉月が寂しそうな顔をした。

でも、次の瞬間にはニコッと笑って。



「ううん。私、そんなお礼言われることしてないよ。ただ楽しんでやってただけだしね」


「葉月……?」


「あっ、もうチャイム鳴るね。自分の席、戻るよ」



葉月はそう言うと、顔を覗き込もうとしたあたしから、避けるようにして席を立つ。

そして、そのまま自分の席へと戻っていって。


葉月、遊んだ日の翌日から、なんかおかしい……。


遊んだ日以来、今みたいに時折、フッと寂しそうな顔をする葉月。

それでも、それはたった一瞬で。


どうしたんだろ…?


あたしは首を傾げながら、葉月を見つめた。