―…
~ピンポンパンポーン…
『迷子のお呼び出しを申し上げます。
栗色の髪で、肌は色白、甘いマスクに、ギンガムチェックのシャツにカーディガンを着てリュックをしょっている高校生くらいの男の子、柏木啓太くんの彼女さま。彼女さま。
啓太くんをお預かりしています。
迷子案内センターまで至急おいでくださいませ。
繰り返します…迷子の…あっちょっと、ボク…!』
『みそのぉ~!早く迎えに来てぇ~~!』
『だ、大丈夫だから、ねっ。すぐに来るからねー』
『うえーん』
『あっそうだ!飴があるわよ。食べる?』
『食べる!』
―…
「ぷーーっ!」
「み、美園?」
ハッ!
いっかーん!
また妄想!しかも思い切りふきだしちゃったし!
今の妄想だと、啓ちゃん幼稚園児なみだな。
「美園、あった!」
しばらく歩いてた気がするけど、やっと店を見つけたらしい。
さっそくあたし達はメガネ屋に足を踏み入れた。