ユリアが玄関を出て石段を降りていくと、前方に白い花が咲いた小さな木がたくさん見えてきた。
壁のように植えられたその木は、ユリアの肩くらいまでの高さで、中の空間とユリアのいる場所とを区切る様に、ぐるっと囲むように植えられていた。
覗き込むようにして中を見ると、花がきっちりと色ごとに分けられ、それぞれが真四角にきっちりと植えられていた。
その光景は、まるで色とりどりの四角いタイルが、整然と並んでいるようにも見える。
真ん中辺りには、まん丸に植えられた赤い花と、きっちりと三角錐状に刈り込まれた背の低い木が、丸を囲むように4本植えられ、その向こうに、またタイルのように四角形に花が植えられていた。
その三角錐の木の向こうで、ツナギのような服を着た丸いお尻がふりふりと見え隠れしている。
ユリアはぐるっと囲まれた白い花の木の開いたところを探し、中にいる庭師と思しきその人物に声をかけた。
「こんにちは。素敵なお庭ですね」
「お前、今、素敵と言ったかぁ?」
その男はユリアを見ると、嬉しそうにニッコリと笑った。
日焼けした黒い肌に白い歯がキラッと光っている。
「えぇ、とても綺麗だわ。あなたが手入れしてるんでしょう?」
「そうだ。この素敵な庭は、この俺が手入れしてる」
「中に入ってもいいですか?」
「あ?あぁ・・お前は俺の庭を褒めてくれた。本当は誰も入れないんだが、いいだろう、お前は入れてやる。入れ」
ユリアは四角い花の間にできた隙間を、花を踏まないように慎重に足を運び、男の傍に近づいた。
すると、鼻をピクッと震わせた男の瞳が、ぎらっと一瞬鋭い光を放った。
「お前・・・もしかして、ラヴル様が連れてきた奴か?」
「えぇ、私ユリアです。宜しくお願いします」
「・・・俺はライキっていうんだ。お前、そんな風にふらふらと外を出歩いていいのか?」
蹲って花を眺めているユリアを見たあと、ライキは周りを警戒するように、キョロキョロと鋭い瞳を動かした。
ユリアが外にいることに、まだ誰も気付いていないようだ。
誰の視線も感じない。
「どうしてなの?」
ユリアはライキを不思議そうに見つめた。
壁のように植えられたその木は、ユリアの肩くらいまでの高さで、中の空間とユリアのいる場所とを区切る様に、ぐるっと囲むように植えられていた。
覗き込むようにして中を見ると、花がきっちりと色ごとに分けられ、それぞれが真四角にきっちりと植えられていた。
その光景は、まるで色とりどりの四角いタイルが、整然と並んでいるようにも見える。
真ん中辺りには、まん丸に植えられた赤い花と、きっちりと三角錐状に刈り込まれた背の低い木が、丸を囲むように4本植えられ、その向こうに、またタイルのように四角形に花が植えられていた。
その三角錐の木の向こうで、ツナギのような服を着た丸いお尻がふりふりと見え隠れしている。
ユリアはぐるっと囲まれた白い花の木の開いたところを探し、中にいる庭師と思しきその人物に声をかけた。
「こんにちは。素敵なお庭ですね」
「お前、今、素敵と言ったかぁ?」
その男はユリアを見ると、嬉しそうにニッコリと笑った。
日焼けした黒い肌に白い歯がキラッと光っている。
「えぇ、とても綺麗だわ。あなたが手入れしてるんでしょう?」
「そうだ。この素敵な庭は、この俺が手入れしてる」
「中に入ってもいいですか?」
「あ?あぁ・・お前は俺の庭を褒めてくれた。本当は誰も入れないんだが、いいだろう、お前は入れてやる。入れ」
ユリアは四角い花の間にできた隙間を、花を踏まないように慎重に足を運び、男の傍に近づいた。
すると、鼻をピクッと震わせた男の瞳が、ぎらっと一瞬鋭い光を放った。
「お前・・・もしかして、ラヴル様が連れてきた奴か?」
「えぇ、私ユリアです。宜しくお願いします」
「・・・俺はライキっていうんだ。お前、そんな風にふらふらと外を出歩いていいのか?」
蹲って花を眺めているユリアを見たあと、ライキは周りを警戒するように、キョロキョロと鋭い瞳を動かした。
ユリアが外にいることに、まだ誰も気付いていないようだ。
誰の視線も感じない。
「どうしてなの?」
ユリアはライキを不思議そうに見つめた。