「分かっている、大丈夫だ。心配するな、ユリア。力を抜いて私に身を任せろ。そうすれば、心地よい夢を見せてやる」


そう言うと、夜着を引き裂いた。

露わになった汚れのない柔らかな白い肌。

体の線を確かめるように、撫でるように漆黒の瞳がゆっくりと、上から下に動いていく。

ユリアは顔をそむけてぎゅっと瞳を閉じた。


「綺麗だ―――」


ユリアの綺麗な鎖骨にラヴルの唇が柔らかく甘く触れた。

何度も優しく触れるラヴルの唇。

それが徐々に、肌の上を下へと移動していく。

柔らかな膨らみを掌が優しく包み込み、唇がゆっくりと這っていく。

拒もうと何とか声を絞り出しても、言葉にならずに吐息となって掻き消えてしまった。

ラヴルの長い指が、唇が、白く柔らかな肌を優しく制していく。

抗おうにも、意に反してラヴルの行為に甘く反応してしまう。

体の奥が熱い・・・。

唇から洩れるのは震える声と、甘い吐息。

ラヴルの優しい腕に包まれ、もう抵抗する意思も力も奪われてしまった。



「ユリア、もう少し力を抜け―――」


「・・・ぇ?ぁ・・まっ――――――!?」


月明かりの差し込む部屋の中で、ユリアの体は強く優しく、幾度もラヴルに征服された。



どれほどの時間が経っただろう、ラヴルの体が漸くユリアの上から離れた。

満足げに微笑みながら、薔薇色に染まった頬を長い指先がすぅっと撫でた。

ユリアの黒い瞳はしっかりと閉じられ、長い睫毛が少し濡れている。

腕の中で力なく横たわる体から、規則的な寝息が耳に届いてくる。



「ユリア・・・疲れて眠ったのか・・・」



乱れた長い髪を指先で整え、耳元の髪をすっと避けた。

美しい白い首筋が月明かりに浮かび上がる。

ラヴルは指先で首筋をそっと撫でた後、柔らかな肌に唇を近付けた。


「ぅっ・・・」


小さなうめき声とともに、ユリアの体がぴくんと動いた。

が、一向に目覚める様子はない。


暫くの後、ラヴルは満足げに肌から唇を離し、指先が首筋をゆっくり撫でた。

少し赤くなっていた肌が、すぅっと元に戻っていく。

薔薇色に染まっていたユリアの頬が、少しだけ白くなった。