そうよ・・・呼んだわ。

何度も、何度も。

私、幾度も貴方の姿を想った。


毎日のように会いたいと願ったわ。




でも――――――





胸が、詰まってくる。


想いが込み上げて来て、息が詰まりそうになる。


傍にいるように感じるけれど、これは現実ではなくて夢。


目覚めてしまえば貴方はそこにはいない。


毎晩願ってる想いが叶い、みせてるものなのだ。




触れたくても出来ない。


水に映る月のように。


貴方に手を伸ばしても、儚く消え去ってしまう。



夢で良いからと思ってはいたけれど、実際に声を聞いてしまうと却って辛くなってしまった。

会いたいと想う気持が一層、強まる。


あの漆黒の瞳に、姿を映したいと思ってしまう。




『嬉しいことを言ってくれる・・・ふむ、今日はやけに素直だな?いつもそうだといいんだが―――』



今度は満足そうな声。


だって夢だもの。

夢の中くらい、素直でいたっていいでしょう?

意地っ張りな私は、こんなこと現実の貴方にはとても言えないけれど。


私は、貴方に会いたくて声が聞きたくて“夢でいいから”と毎晩願っているの。



笑ってしまうでしょう?



こんな想い、貴方には分からないでしょう?