「・・・うむ、私も、そう考えているところだ」
―――閃光に関しては、違う意見を持っているが・・・。
「ならば、です。ここにいては、危険なのでは?さっきのようなことが起こらないとは言えません。ここを離れた方がいいのです」
「しかし・・・知っているだろう。今の俺の状況を。連れていけば彼女に迷惑がかかるぞ」
「バル様、彼女のため、なのです。それに・・・いいですか。これは、保護です。深い意味などありません。俺の言ってること、お分かりでしょう?」
意見を言い終えたジークはバルの足元に跪き、片手を床に置いて恭しく頭を下げた。
「どうかご決断下さい、バルリーク王子殿」
バルは瞑目して腕を組んだ。
ジークの言うことはもっともなことに思える。
“これで終わると思うな”
頭の中で、奴の捨て台詞が何度も再生される。
――――賢明なセラヴィ王のことだ、同じ手は使わん。
次回は違う手段を講じるだろう。
しかも、今度こそ確実に成功する手立てを、だ。
―――保護、か――――
“バル、助けて―――お願い”
あの時伸ばされた腕。
すがるような瞳。
か細く小さな手。
守るべき、か弱き者。
お前が頼り求めてくるのであれば、俺はその手を掴み取り、この腕で守り通そう。
この身が尽きるまで―――
「―――ジーク、支度しろ」
「では、バル様・・・」
「連れて行く。お前もだぞ」
「しかし、バル様。俺は・・・ご存じでしょう?」
「お前は、彼女の主治医だろう。お前以外にだれが診ると言うんだ。大丈夫だ、皆に文句など言わせん。分かったな」
「・・・分かりました」
森の中から連絡を取り合う皆の遠吠えが聞こえてくる。
合間にザキの声も混じる。時期にリリィと一緒にここに戻ってくるだろう。
行く前に、まず、リリィの許可を貰わんとな。
おっと、フレアもだ。
あぁ、ザキの許可もいるか・・・。
バルの頭の中に次々と顔が表れ消えていく。
最後に不機嫌な顔をさらに歪めるザキの表情が容易に思い浮かび、バルは頭を掻きつつ苦笑した。
その後順番に一人ずつ説明したら不機嫌な声で「俺も行く」と言い張り、ダメだと渋るジークの了解を勝ち得たザキが機嫌よく呟いた。
「良かったっす。やっぱり仕舞い込むことにしたんすね」
「っ、勘違いするな、断じて違うぞ。・・・ジークもだ。お前ら何を笑っているんだ」
ジークの家に、バルの慌てた声と笑い声が大きく響き渡った。
―――閃光に関しては、違う意見を持っているが・・・。
「ならば、です。ここにいては、危険なのでは?さっきのようなことが起こらないとは言えません。ここを離れた方がいいのです」
「しかし・・・知っているだろう。今の俺の状況を。連れていけば彼女に迷惑がかかるぞ」
「バル様、彼女のため、なのです。それに・・・いいですか。これは、保護です。深い意味などありません。俺の言ってること、お分かりでしょう?」
意見を言い終えたジークはバルの足元に跪き、片手を床に置いて恭しく頭を下げた。
「どうかご決断下さい、バルリーク王子殿」
バルは瞑目して腕を組んだ。
ジークの言うことはもっともなことに思える。
“これで終わると思うな”
頭の中で、奴の捨て台詞が何度も再生される。
――――賢明なセラヴィ王のことだ、同じ手は使わん。
次回は違う手段を講じるだろう。
しかも、今度こそ確実に成功する手立てを、だ。
―――保護、か――――
“バル、助けて―――お願い”
あの時伸ばされた腕。
すがるような瞳。
か細く小さな手。
守るべき、か弱き者。
お前が頼り求めてくるのであれば、俺はその手を掴み取り、この腕で守り通そう。
この身が尽きるまで―――
「―――ジーク、支度しろ」
「では、バル様・・・」
「連れて行く。お前もだぞ」
「しかし、バル様。俺は・・・ご存じでしょう?」
「お前は、彼女の主治医だろう。お前以外にだれが診ると言うんだ。大丈夫だ、皆に文句など言わせん。分かったな」
「・・・分かりました」
森の中から連絡を取り合う皆の遠吠えが聞こえてくる。
合間にザキの声も混じる。時期にリリィと一緒にここに戻ってくるだろう。
行く前に、まず、リリィの許可を貰わんとな。
おっと、フレアもだ。
あぁ、ザキの許可もいるか・・・。
バルの頭の中に次々と顔が表れ消えていく。
最後に不機嫌な顔をさらに歪めるザキの表情が容易に思い浮かび、バルは頭を掻きつつ苦笑した。
その後順番に一人ずつ説明したら不機嫌な声で「俺も行く」と言い張り、ダメだと渋るジークの了解を勝ち得たザキが機嫌よく呟いた。
「良かったっす。やっぱり仕舞い込むことにしたんすね」
「っ、勘違いするな、断じて違うぞ。・・・ジークもだ。お前ら何を笑っているんだ」
ジークの家に、バルの慌てた声と笑い声が大きく響き渡った。