「今、何時!?」
「５時。」
　５時？
　確か奏が行くのは６時５０分の新幹線だよね。
「嘘・・・」
　落ち込む私を見て奏は私を抱きしめた。
「行こ。」
　涙が出た。
　なんで寝ちゃったのよ・・・。
　今までにない罪悪感と悔しさ。

　駅までは奏の叔母さんの車で駅まで向かった。
　奏の家族がみんな乗った車。
　泣いている私を奏のお母さんがなだめてくれた。
「大丈夫よ。また会えるもの。会えない時もずっと心の中にいるの。」
　どうやら奏の家族はみんな、私を受け入れてくれたみたい。
「ありがとう・・・ございます・・・・・・」
　駅に着いた。
　いつもとは違う駅は肌寒かった。
　私と奏は２人で話した。
「今までめっちゃ楽しかったよ。」
「うん、私も。」
　きっと私も奏もこの先のことは分からないけれど、２人の運命は分かっている。
「ホント、あっという間だったね」