土曜日。
 今日が奏といられる最後の日。
 これから奏に会いにいく。
 でもその前に淳平の元へ向かった。
「おはよう、淳平。」
「おはよ。」
 笑って返してくれた。
 淳平はすっかり元気になっていた。
「お母さんは?」
「今なんか話ししにいってる。」
「そっか。」
 淳平と私は気軽に話せていた。
「これからどっか行くの?」
「うん」
「ふぅん・・・」
 奏に会いにいく。
 そんなこと淳平には言えないな。
 待ち合わせは10時。
 今は9時。
 まだ時間あるな。
 私は椅子に座った。
「淳平のお母さんって優しくて美人さんだよね」
「え!?うっそ。どこが?」
 淳平は嫌そうな顔をした。
「いいなぁ・・」
「どこがだよ。ウザイよ?」
「む・・・。贅沢だな!」
 私たちは笑いあった。
「ねぇ、淳平。」