「瑞歩ちゃん・・・」
 どうしたんだろう。
 優歌がいつになく真剣な顔してる。
「ちょっと来てくれる?」
「うん」
 もう随分、楽になったので普通に歩ける。
 優歌の後を付いて行った。
 同じ階のある病室の前で優歌は止まった。
「もう瑞歩ちゃんのお母さんも来てるの。知ってるのは私とぶつかってきた男子だけ」
「え?」
 優歌の言っている意味が分からなかった。
「あの場にいた人しか知らないの」
 そう言って優歌は病室に入っていった。
 一体誰の病室だろう。
 病室の前の名前を見ずに入っていった。
 そこにはベッドに寝ている男の子がいた。
「・・・?」
 優歌はその人の前に立った。
 その人の隣にはお母さんらしき人がいて、こちらに気付いて会釈をしてきたので会釈で返した。
 でも、その後の光景に声が出なかった。
「・・・!」
 淳平だった。
 そのベッドに寝ているのは確かに淳平だった。
「なんで・・・。」