運命

　さっき少し思っただけなのになぜか胸が苦しい。
　１人で階段を上っていた。
　ボーッとして歩いていた。
「あ、瑞歩ちゃん！」
　階段の上に優歌の姿があった。
　優歌にはいろいろと本音を打ち上げているから見ると少しホッとする。
　すると、優歌の後ろから勢い良く男子が走ってきた。
　私にはまるで気付いていない。
「あぶなっ・・・！」
「瑞歩ちゃん!?」
　ふと思った時にはもう遅かった。
　男子が私に思い切りぶつかった。
　その勢いで私の体は階段の上で後ろにバランスを崩した。
「・・・！」
　私の目の前には優歌が必死で何かを叫んで、男子は私を真っ青な顔をして見ている。
　今、私はどんな状況にいるの？
　どういうこと？
　私は今・・・。
　目を思い切り瞑った。
　心臓が飛び出るくらい鼓動が激しくなった。
「瑞歩ちゃん！」
　誰かが私のことを呼んだ気がしたけど・・・。