だったらどうするの?
 この空気をどうするの?
 って話だ。
 奏にとってそれは、迷惑だったかもしれない。
 こんな状況になったら帰ってほしいって思うよね。
 ・・・でも、まだここにいたい。
「ごめんね!私・・・」
「いや、早まった。俺こそごめん。」
 奏は私に向かって深々と頭を下げてきた。
「い、いいの!気にしてない!」
 本当に気にしたくないので笑ってみせた。
 でも奏は俯いたままだった。
「奏・・・。本当に大丈夫だから・・・」
 それでも奏は何も言わなかった。
 私は奏が好き。
 もう、こんなことで奏を、大切な人を失いたくない。
 私は奏を優しく包み込んだ。
「・・・!」
 奏を抱きしめた瞬間、奏がビクッと動いた。
 それでも奏は嫌がらず私の中で包まれてくれた。
「奏、好きだよ・・・」
「瑞歩・・・」
「笑ってよ、奏。いつものように。」