時間が少ないから奏に会いに来てもらう。
 何度も申し訳ないな。
 でも奏の家はお金持ちらしくて苦じゃないとか。
「いつもごめんね、来てもらっちゃうばっかで・・・」
「いいよ。瑞歩に会えるならいつでもどこでも行くよ!」
 奏は笑う。
 可愛い笑顔で。
「今度さ・・・良かったらだけど、休みの日に俺んちとか来れたりするかな・・・」
 奏の家に!?
 驚いて何も言えずにいると、
「あ、ダメだったらいいんだ!ごめん・・・」
「行きたい・・・」
「え?」
「奏の家に行きたいよ!」
 最初は迷惑じゃないかなとか思ったけど奏の悲しい顔を見たら断れない。
 それに、私の本望は〝行きたい〟だった。
「来て!いつでもいいよ。瑞歩の都合のつく日。」
「うん!・・・私、もう部活辞めたから休みの日はいつでもあいてる!」