なんだ、って何よ、その言い方。


「せっかく..」


「せっかく..何?」


今度は想がニヤニヤしてあたしの傍まで来る。


「せっかく..」


「もっと好きになっただろ?」


「なっ!」


どこまでも意地悪な王子様があたしの頬に手をそっと置く。


「そ、想..」


「目、閉じろよ」


低い声で耳元で囁かれると、あたしの体はまるで魔法にかかったかのように
言われた通りにしてしまう。


「想?」

「メイ、好きだよ」