想はモテるから学校では王子様扱いだったし。


強力なライバルまでいたんだ。


すれ違ったり、喧嘩もたくさんしたし、誤解もした。


離れなきゃいけなくなったりもした。


でも


「大事なもんも守れねぇで卒業なんて..オレは出来ない」


そう言って、あたしの為に卒業を辞退したんだ。



一緒に卒業したいから、想はそう言ってくれた。



「何気持ち悪い顔してんだよ」


「へ?」


我に返ったあたしに想が怪訝そうな顔で見つめる。



「卒業式をね、思い出してたの」


「なんだ、そのことか」