席から立って、あたしの横に座る。

近くに感じる、想の温度にドキドキしてしまう。


「まずはお前と花といる事が一番。で、次に何が大事かって言うと、じいさんの事なんだよな」



おじいさま



蘇る、去年の記憶。



いろんな事があった。


今ではあたしもおじいさまもいい関係を築いてきてはいるけれど、きれいさっぱりには、忘れられない。


そんな事を思っていたからか、ふいに手を繋がれた。


あたしの気持ちを察してくれてるのかな。


「メイには、たくさん嫌な思いをさせてしまったよな」



「そ、う?」



繋がれた手に力が入る。


あたしよりも、想。想よりもあたし。


お互いの気持ちが伝わるように、握りしめる。