そんな事を言い合いながら、家に帰った。


「ただいま」


玄関のドアを開けて中に入ってもしーんと静かで。


不思議に思いながらリビングのドアを開けてみると、お母さんが人差し指を立てて口元にあてる。


花を見るとおでこにタオルがおかれていて、その顔はとても苦しそう。




「メイと想君が出かけてからすぐにね、咳が酷くなっていって。
熱を計ったら8度近くあったの。私はパパとママに連絡しようって言ったんだけれど。
花がどうしてもそれだけはダメだって言うのよ」



「はな..」



そっと寄り添って花の頬を優しく撫でた。



「花言ってたわ、今日はパパとママの大事な日だからって。
だから邪魔したらいけないんだって」



「ごめん、ごめんね、花..」



溢れそうになる涙を必死に堪えていると、花がうっすらと目を開けた。



「ぱぱ、まま?」