「もう少しで帰れるから、それまで待っててくれないか?」


その声はとても優しくて。


あぁ、やっと想が戻ってくるんだって。

そう思うだけで嬉しくなる。


「返事は?」


「うん、待ってる」


「花は?元気か?」


「会いたがってるよ、すごく」


「俺も早く会いてぇ」


「うん!ご馳走作って待ってる。だからちゃんと帰ってきて」


「あぁ、帰るからさ。一つだけ、俺にご褒美くれない?」