いきなり聞こえた声の方向に視線を向けると、


「は、花!?」


不思議そうに首を傾げてあたし達を見ている。


「なにが、だめなのー?花にも教えてー!!」


もうすぐ3歳になるからか、話口調も立派なお姉さんだ。


「ねぇ、おしえてよー!パパ~!!」


答えられないあたしから、今度は想の方に向いた。


「花、おはようは?」


「ちがうー!!おしえてよー!」


「違うくない。朝のご挨拶は大事って教えてるだろ?」


想が花を抱き上げると、二人の顔がぐっと近くなる。


「青山花?」

「はい」

「おはようは?」

「おはよう、ございますぅ」

「よく出来ました!よし、ご飯にするか!」

「うん!!ママ、サンドイッチはぁ~?」

「うん、サンドイッチ食べようね」