ああ、何て運が悪い日なんだろう。


廊下の壁にもたれ掛かって会話をする人達。


カレとさっきの女の子。



だけじゃない。



カレを中心として集まる沢山の女の子達。



そして、正面から見る彼は誰もが見惚れてしまいそうなすっかり大人な顔をしていた。



あんな顔、私は知らない。


「ゆーきくん!」



誰もが皆、そう呼んでいた。



必然的に通らないといけないカレの前を素早くなるべく音を立て無い様に通る。


あと、少し。



だったのに―……