学校には、嫌になる程
桜吹雪が見事に散っていた。
「綺麗―……」
思わず、見惚れる。
人が更けていたというのに隣から高い声が飛び出してくる。
「マジラッキィなんだけどぉ~っ!」
「ヤバくね!?まさか大神がこの学校選んでたなんて。」
大神?
私は聞き慣れないその熟語にハテナマークを浮かべた。
少し気になったけど、そんな事は一瞬で忘れた。
正面玄関に張り出された紙。
それはクラス分けの、紙。
7クラス編成で1クラスずつ、紙を順に見ていく。
「あった。」
ゆきくんの名前が。
【1-C】
それがゆきくんのクラスらしい。
更に下を辿る。
な、にぬね………
「うそー…っ。」
野々宮 こころ
確かにそう、書かれていた。
嬉しいのか嫌なのか
解らない。
さっきの今だから、かなり複雑な心境。
とにもかくにも、早く教室に向かおうっと。