まだ、ママは帰ってきていないみたいだった。 自分の部屋にまず一直線に行って、ベッドに沈み込んだ。 まだ折りたたみ式のいわゆる、ガラケーを開き、辞書を開く。 "大神" カチカチとタッチの音が部屋に響く。 意味;神を敬っていう語。 「ははっ…」 力の無い笑いが零れた。 だって、カレに似合いすぎた言葉じゃないか。 「ゆきくん…」 私は窓越しに見える、正面にあるゆきくんの部屋を見つめながら何時の間にか眠りについていた。