知っているんだ。カレは。

あの事以外の全ての事実を。



「テメェは今俺が憎いか?」


「……。」



私はまだ、何も答えて居ないのに。



「俺はお前が一番憎い。」


ごめんなさい。



「一生、許さねぇよ。」



ごめんなさい。



「だからさっさと俺を嫌いになれよ。さっさと、憎めよ。」



カレは苦しそうに言葉を吐いた。



「ごめんなさい。」



そう言うしか無かった。