「まあ、取り敢えず手当てしようか。膝、擦りむいて血出ちゃってるし。」
先生はコットンと消毒液を棚から出して、たっぷりと消毒液を含ませたコットンを私の傷口に当てる。
「―……ッ」
「ちょっとだけ我慢してね。」
先生の言う通り、手当ては直ぐに終わった。
「君は……、野々宮こころちゃんだよね?」
「…えと、何で名前を…」
初対面の筈、だよね?
「可愛い子の名前はちゃんと覚えてるんだ。」
「は、はあ…」
お世辞どうもありがとう。
心の中でお礼を言ってみる。
「今日は特別にベッドに寝かせてあげるよ。」
「…え?」
「そんな顔してたら、思春期の男の子達が欲情しちゃうからね。」
「へっ……はへ?」
先生の言っている意味が理解出来ない。
だってこんな酷い顔を見て、誰が欲情するって言うのか。