「ぎゃっ!」 自分でも情けなくなる様な酷い声を上げて床へと絶賛落下中。 いた、いた、いたくな‐い? チッ 舌打ちが静まり返った廊下に響く。 「テメェ、前向いて…―」 聞き覚えのある声が、私の頭上から降ってくる。 そっと、顔を上げる。 「………」 少し目を見開いた、カレがそこにいた。 そして私の腰には、久しぶりに触れた彼の腕が巻き付いていた。